電力の自由化

電力自由化の流れ

2003年3月
電力小売自由化スタート
特別高圧
大規模工場やデパート、オフィスビル
2004年4月・2005年4月
自由化領域拡大
高圧
中小ビルや中小規模工場
2016年4月
全面自由化
低圧
家庭や商店

最初の小売自由化は、2000年3月に始まりました。はじめは、「特別高圧」区分の大規模工場やデパート、オフィスビルが電力会社を自由に選ぶことができるようになり、新規参入した電力会社「新電力」からも電気を購入することが可能になりました。その後、2004年4月・2005年4月には、小売自由化の対象が「高圧」区分の中小規模工場や中小ビルへと徐々に拡大していきました。そして、2016年4月1日からは、「低圧」区分の家庭や商店などにおいても電力会社が選べるようになりました。

電力供給の仕組み

※特別高圧・高圧の消費者(工場等)は、すでに小売が自由化されています。

赤枠内の(低圧)消費者への小売が2016年4月に自由化されました。

電力小売全面自由化後も、物理的な電力供給の仕組みには原則変更はありません。
電力は、上記図の通り、発電所送電線変電所配電線の経路をたどり、各ご家庭まで供給されています。

また、電力の供給システムは、 [1]発電部門 [2]送配電部門 [3]小売部門の大まかに3つの部門に分類されます。

各部門について

[1]発電部門とは…
水力、火力、原子力、太陽光、風力、地熱などの発電所を運営し、電気を作る部門です。
[2]送配電部門とは…
発電所から消費者(各ご家庭を含む)までつながる送電線・配電線などの送配電ネットワークを管理します。
物理的に電気を家庭に届けるのは、この部門の役割です。また、ネットワーク全体で電力のバランス(周波数等)を調整し、停電を防ぎ、電気の安定供給を守る要となるのも、この部門です。
[3]小売部門とは…
消費者(各ご家庭を含む)と直接やりとりをし、料金メニューの設定や、契約手続などのサービスを行います。
また、消費者が必要とするだけの電力を発電部門から調達するのも、この部門の役割です。
電力小売全面自由化により、[3]小売部門において、新たに事業者が自由に参入できるようになります。
[1]発電部門 はすでに原則参入自由ですが、[2]送配電部門 は安定供給を担う要のため、電力小売全面自由化後も引き続き、政府が許可した企業(各地域の電力会社(東京電力、関西電力等))が担当します。
そのため、どの小売事業者から電気を買っても、これまでと同じ送配電ネットワークを使って電気は届けられるので、電気の品質や信頼性(停電の可能性など)は変わりません。

なお、電気の特性上、電気の需要(消費)と供給(発電)は、送配電ネットワーク全体で一致させないと、
ネットワーク全体の電力供給が不安定になってしまいます。
そのため、もし小売部門の事業者が、契約している消費者が必要とするだけの電力を調達できなかった場合には、
送配電部門の事業者がそれを補い、消費者にきちんと電力が届くように調整します。